いにしえバタフィア（ジャカルタ）中華街の混沌が蘇りそうな本格ガンバン・クロモンです。音質の良さからして最近の録音の筈ですが、それでもこの超絶級にエスニックな濃い味にひっくり返ります。ポップとか流行性の要素もなしですが、よりダイナミックに肉厚にアレンジされた演奏陣がます圧巻。まさに１００年前の音楽が生き返った感じです。しかしあくまで都市型の大衆音楽だけに現代の耳にも珍味で新鮮、ガンバンと呼ばれる木琴とクロモンと呼ばれる壺型の打楽器を主役に、ダンドゥットともスンダ音楽とも全く違った妙にピヨピヨしたスリンの音色、そしてこれぞ大衆歌謡という感じのドスコイの男女VOもある種の猥雑さを醸す１３曲。なによりもこの濃密なバタフィア下町風情に酔わされます。