大航海時代からポルトガルが交易を通じて世界各地の音楽に及ぼした影響の跡を辿るという興味深いシリーズ。これはインド洋のスリランカ(旧名：セイロン）編で、現在でも存在するポルトガル系住民社会に伝わる音楽各種を現地録音したもの。ポルトガルとセイロンのみならず、交易船の中継地があった当時のアフリカの音楽までもが融合して形成されたカンティーガやカフィリンニャの現在の姿も捉えています。さらに最大都市コロンボ周辺はもとより、北部のトリンコマリー（人種間紛争の為、長らくアクセス困難だった地域）の音楽も収録した全１３曲。詳細な解説（英語とポルトガル語）も付いた大変な労作です。