本当にこの10~15年くらい、大陸中国の音楽シーンは変わりました。値段もあがりましたが、、。歌唱力は高くとも共産党の広告塔みたいなダサいのばかりだった時代とは大違い。香港台湾とも違った、洒脱で個性もあり、そして現代的ではあってもそこはかとない中国の伝統民歌の名残りもあり。そんな新時代の先駆け的存在だった一人がこのリーシュオでした。その美声には特有の天然の哀感があり、けれど甘酸っぱくもあり、こちらの聴覚にまとわりつくかの様なしっとり感。最近新作が出ていないみたいですが、やはり卓抜の叙情です。これは2004年作の高音質化の再発盤。ことさらに中国楽器を使った古典風味は希薄ですが、そんなエレガンスから滲む時代や流行を超越した中国風情が実に素敵で、中には欧米曲のカバーなどもありますが、アジア人らしいリリシズムで魅せます。計13曲、とっぷりです。