これは見つけものでした。おもわず鳥肌、そして頭クラクラし心身ともにフリーズしそう。もうサイケと言って良いほどに驚異的な求心力を以って、渦巻きのごとくズンズンと深みに突き進む超インプロヴィゼーショナルなチルボンのインスト作です。スリン、クンダン、名前不明ですがバリ島のジェゴグやリンディックに似た竹製の木琴（？）音、そして意外性の塊のごときエレキ・ギターの刺激的なフレーズなどが、互いにインスパイアしながら渾然一体となって展開する迫力。タルリン（ギターguiTARとタルリンtarLINGの合成語）の変形でしょう、どこか昔地方インドネシア・マニアを狂喜させたシントレンのカマジャヤ・グループを思いださせる、ミステリアスですらある地方パワー。こういうのもカセットというメディアがなくなると聴けなくなるのか、時代よ戻れ。