フェイルーズの膨大なリリースの中で最も多いのがレバノン風オペレッタ（歌劇）ですが、本作はかなり多種多様な構成でライブ曲もあります。１９７２年作で、その前年にはアメリカ公演を果たし、また代表作の一つであるJerusalem in my heartを発表したり、当時３８歳、まさに脂も乗り切ってアラブの女性歌手の頂点に達した時代です。あのクールでありながら温かみもある、ちょっと潤んだ様な美声で歌うは、ウム・クルスームを思わせる弦楽伴奏の格調高い曲から、得意のオペレッタ調、あるいは後年の彼女を予感させるちょっとポピュラーな感覚まで、長尺含む全７曲を収録。