マレーシアのこのＦＭＣというレーベルは、やたらと庶民的な作風から斬新で志の高い意欲作、価格的にも廉価からやけに高額なものまで、とかく両極端なケースがあるのですが、本作はいずれも後者の代表みたいな一作です。ユナの好ライバルとなりそうな個性派女性作で、写真を見るといかにも人の好さそうなムスリムのお姉さんという感じですが、音楽的にはじつに気鋭な人で、ロック、フォーク、オルタナティヴ、プログレ、ブラコンなどなどじつに多彩な要素をブレンドして新機軸なマレー語ポップスをクリエイトする俊才シンガー・ソングライター。歌唱力も作曲の才能も豊かな創造性も、もしかしてユナを凌ぐのではないか。計18曲、マレーシアからこんな先端的な音楽が登場するとはちょっと意外です。本作のジャケットは紙製デジパック式の装丁なのですが、マレーシアからの輸送時についたと思われるかすかな擦れ跡がありますので、値引きしております。