昔から台湾と香港のポップスや大衆歌謡は、言語の違いは別にしてもかなり違う方向性ですが、最近の中国はそのいずれとも異なる趣向の秀作が目立ちます。コマーシャリズムにとらわれずにリリシズムを追求した、孤高の都会歌謡という感じでしょうか。当店ではお馴染みの西藏や蒙古の地方民歌路線でも同様ですが、本作の様な洗練された作風ではさらにくっきりと浮かぶ都会の夜の叙情、それゆえスロー曲が中心となりますが、多彩なサウンドと曲想に、彼女のどこか内省的な歌声が素敵なのです。決して媚は売りません、この美貌に相応しいクールで蠱惑な美声と凛とした色っぽさで全12曲。