ロマ・イラマやエルフィ・スカエシらが台頭した時代がダンドゥットの第1期黄金時代だとすれば、ポップやディスコと融合したスタイルが花咲く１９９０年代前期あたりは第2期黄金時代だったと言えるかも知れません。しかしその後はハウスだリミックスだとやたらチープなサウンドが横行するさまになってしまいます。これはディスコ・ダンドゥットの中心だったHARPAレーベルの、1993年時での文字通りの精選集です。たしかにクンダンを中心に有機的なグルーヴが冴えわたった初期のスタイルとは完全に異質な軽快でダンサブルなサウンドですが、この頃はまだ刹那でスリリングな緊迫感も濃厚に残っており、さらに楽曲的に名作と呼ぶにふさわしい佳曲が多かったのも事実。当時のダンドゥットに詳しい方なら本作収録の楽曲名を見て懐かしさに駆られる筈です。女性歌手達も名歌手揃いで、後年も活躍し続けるニニ・カルリナを除けば、まさしく絶頂期の代表曲揃いの全12曲。