インドネシアにはこうした隠れた実力派シンガーがまだまだ大勢いるのだと思います。プロフィールもこれ以外のリリース状況も全く不明の人ですが、これが2003年作とは到底信じられない洒脱なポップ・インドネシアの快作です。この時代にはまだ珍しかったR&B調のポップ作なのですが、モータウン風、ポップ・ロマンチス的なリリカルなナンバー、ちょっぴりフュージョンがかったサウンドによる快調なダンス曲など、黒っぽさ抜きのブラコン調をポップ・インドネシアのペーソスで仕上げた13曲。当時のWEAレーベルらしい都会的で斬新でよく練られたサウンドを得ての彼女のしなやけでセクシーなvoも絶品。推測ですが、ジャカルタなどの大都市圏の高級目なクラブなどで活動する人ではないか、小規模会場でのライブがとても似合いそうな文句なしの力量に唸らされます。