もう10年リリースがないのが気がかりですが、今上インドネシアの歌姫の一人、クリス・ダヤンティの2004年作です。時にジャズっぽくなったり懐古調にも接近したりの姉、ユニ・シャラとは違って王道のコンテンポラリー・ポップ・インドネシアまっしぐらのこの人。本作でもエルウィン・グタワのプロデュースのもと、アコースティックとエレクトリック、リズミカルなナンバーと入魂のバラード、などじつにバリエーションに富んだ曲調、あの手この手のアレンジに贅を尽くしたサウンド作りと、最後まで飽きもダレも無縁の10曲、これにボーナストラック4曲を追加。メリーとの共演やライブ音源も含まれます。数ある彼女のアルバムの中でもとりわけ豪勢に仕上がった大作です。