ディーミトラ・ガラーニとの30年ぶりの共演が話題となったアレクシーウ。これは3年ぶりのスタジオ録音による最新ソロ・アルバム。盟友だった故マノリス・ラソーリスへのトリビュート作で全曲ともそのラソーリスの作。同氏は逝去されたばかりだそうですが、アレクシーウの歌はただ悲嘆に暮れるばかりではなく、正しく円熟の極に達した深みと力強さを同時に味わわせてくれる名唱揃い。形式的にはモダン・ライカで、王道的なライカからポップ、タンゴ、時にはラップまで披露（アレクシーウがラップ！？、と驚くなかれ、これがじつに味わい有り）する誠に進取の機運にも富んだ意欲作なのです。全１４曲、バラエティ豊かに仕上がった名作です。