この１?２年、どうした訳かリリース量が減っているアラブですが、レバノンからとんでもない力作が登場です。これがもしかつてのワールドミュージックの時代に出ていたらさぞかし大きな話題となり絶賛されていたでしょう。でも特に異種音楽とのミクスチャーとかいうのでもないのだが、とにかく超絶的に刺激的なサウンドなのです。誤解なきよう、今風の黒人音楽を模しているのでは全然なし、されどこれはアラブ版のヒップホップとかファンクとか呼びたくなる躍動感ビシバシの８曲。インプロヴィゼーション要素も随所に出てくるパーカッシヴな伴奏と彼女の縦横無尽の歌声の合体に大興奮、斬新でありながらアラブ音楽のトラディショナルな奥深さも併せ持った大作です。