紹介が遅くなりましたが、多方面で絶賛されるハリス・アレクシーウの２０１５年最新作です。いつもながらの滋味と斬新さが共存した力作ですが、今回はなんとブルース調まであり。勿論、米国や砂漠のブルースとは異種の、ギリシャらしい重みや深い寂寞感で惹きつける新境地でこれは聴きものです。アコースティック重視の音作りもじつに丁寧かつ有機的に仕上がっており脱帽。全１１曲、これは彼女の近年作の中でも白眉の一枚でしょう。それにしてもこういう深奥な世界が敬愛されるギリシャと言う国、政治も経済も世界に迷惑ばかりかけていますが、やはりこと文化的には欧州の中でも重鎮ですね。