Alexaのメンバーのプロデュース作と聞いて、予想していたポップ・ロックとはまったく異なる内容でした。トロピカルでありながらしっとりとしてジャジーな洒脱さや冷涼感もある、じつにお洒落な都会派ポップス作です。彼女は女優や映画監督までこなすという才女で、１９９５年に一枚アルバムを出していますが、これはほぼ８年ぶりという新作セカンド。昔から女優兼業の歌手が大勢いるインドネシアですが、この人の志の高さはちょっと次元が違います。９０年代のシーラ・マジッドやザイナル・アビディンらが示したあの方向性を２０年経過させて培養したという感じか、研ぎ澄まされた感性の歌声も秀逸な、まさしく大人の鑑賞向けの逸品です。計１０曲。