２０１２年リリースですが、今のところの最新作です。そもそもデビュー後１０年間でアルバム４枚しか出していないのに現地での評価の高い実力派。マヤンサリらにも通じる、余計なものを削ぎ落とした孤高の歌唱、これが聴く者に深い印象を与えるのでしょう。本作はポップ・インドネシアの歌曲の中から、彼女の好きなナンバーを選んでカバーした企画のようで、デディ・ドーレス作でニケ・アルディラの熱唱も懐かしい名曲Seberkas Sinarのほか、ラフィカ・ドゥリ、エディ・シリトンガ、クリシェ、ベタリア・ソナタなどインドネシア歌壇の名歌手達のレパートリーを、可憐な歌声で魂をこめて歌いこんだ１０曲。けっして派手さはありませんが、静かめにしかし徐々に熱を帯びてくる、いわゆる大人の鑑賞向けの聴くほどに味わい深まる秀作です。豪華装丁でDSD音質（通常のプレーヤーで再生出来ます）ゆえインドネシアとしては高額で恐縮です。