最近元気なギリシャの民謡ポップス・ジャンルのディモーティカ。毎月のようにイキの良い新作がリリースされますが、これはその中でも人気絶頂らしい女性歌手の２０１５年作です。ブルガリア生まれだそうで、毎回エキゾチックで高揚感のあるエスノポップの秀作を連発しますが、今回も予備知識なしで聴いたら、まず欧州圏とかキリスト教圏の大衆音楽とは思えない筈です。東洋の神秘？なんて言葉を想像させる特徴的な旋律にむせび泣くクラリネット、地を這いずる様などこかベリーダンスを思い出させる妖しいリズムをもたらすリズム・セクション、これらと一体化した彼女の真摯な歌いっぷりでどんどんと高揚する２５曲。哀調から明快で伸びやか開放感のある曲想まで大いにハマります。