シーラ・マジッドの新作と同様、通販カタログではすでに完売となったシティの新作１７thアルバムです。べつに比較する必要は全然ないのですが、シーラの方と比べると年齢的なこともあるのか、まさしく油の乗り切った「力作」という言い方が良いと思います。インドネシアのライターも起用されていますが、これぞ現代のマレー歌謡という感じか、マレーの哀愁や湿度感やら情感がぎっしり詰まった１０曲を、一瞬の隙もなく彼女が真摯に歌い上げています。楽曲もサウンド面も極め付きゴージャスで多彩、いささか強気な価格も納得できます。それにしてもラマダンを間近にしてリリースされた超大物の新作２枚、現地のムスリムの方々も今年はちょっと違った断食月間だったのではないでしょうか。