ベトナムのポップスは本国のものと、海外在住（越僑）のアーティストに分かれますが、特にアメリカ西海岸には大きなマーケットがあって、本国産とはちょっと趣の違った作風も多く聞かれます。このニュー・クインは、出生は本国ベトナムですが、２３歳の時に家族とともに米国に移住。１９９５年にはデビュー・アルバムが出ています。これは２００７年作で、１９９９年から所属していたThuy Ngaレーベル音源の精選集です。Vol.2とありますが、第１集は実際にリリースされたのか不明です。本国産に比べると、ベトナム楽器に加えてストリングスや管楽器類なども入ってアレンジも多彩、正直ゴージャズ度は比較にならないほど勝っおり音質もはるかに上です。勿論、音楽的にはそうは違わないザン・カー風から現代歌謡調ですが、より洗練されたロマンチックな音作り。アジア歌謡の中でも最もユニークでテクニックを要すると思われるベトナム歌謡の節回しで高く評価される彼女の高い歌唱力をとっぷりと堪能させる全２５曲、とびきりの秀演が揃っていて、これはお薦めです。