近年ジャカルタから東ジャワに遷都した感すらあるダンドゥット界。この結果、バニュワンギに伝来するクンダン・クンプル風の、隙なく押し寄せるが如くのド迫力ビートが蔓延してきたのはある意味新味で僥倖でした。して、そのクンダン・クンプル自体が本来どんなものなのか、あらためて知らしめる迫力ライブ作の登場です。これはかなり本格的で、横打ちの大型クンダンをはじめ野趣がびしばし効きまくった伴奏がまず圧巻。何故か本当に不思議なのだが、バニュワンギ独特の中国風のそれによく似た旋律も面白い佳曲揃い。勿論お堅く泥臭めな民族音楽風ではなし、だってラトナやスリアナが登場するくらいですから。台湾山地歌謡のそれを思い出させるエスニック柄なのにミニスカートという衣装も披露、通常ダンドゥットとはまた違った色っぽい熱演を繰り広げる１０演目です。