アフロでもないアラブでもない、独特ドスコイなファンキーさと何故か不思議と東アジア風な旋律まで出てくるエチオピア音楽。その比類の無い感覚に魅せられた現代のミュージシャンを特集した「Noise & Chill Out Ethiopian Groove Worldwide」というオムニバスでも白眉だったのがこのアカレ・ウーベ。本当にグッと抑えの効いたいぶし銀のグルーヴで展開されるエチオピアン・ジャズ・ファンクの名作です。その一度聴いたら忘れられない摩訶不思議な旋律、どこかレトロなドラミング、ブリブリと唸りまくるサックス、サイケなキーボード、尺八そっくりな笛の音色などなど各パートのテクも申し分なし。されどどこにでもありそうな通り一遍なコンテンポラリーさとのズレ、これがたまらないです。