2011年リリースのイネ・シンティヤ。インドネシアでは珍しくCDとVCDがカップリングになったもの。それまでジャワ風はあっても、比較的オーソドックスなダンドゥットを得意としてきた彼女ですが、今回は一皮向けた感じです。とは言え軽薄なディスコ・タイプでも軟弱なポップ・ダンドゥットでもなく、それこそジャンルを問わずインドネシアで時々銘打たれるクレアティフ（Kreatif)、つまり創造性豊かにアレンジされた力作ダンドゥットです。スローからアップテンポまで様々に、そして幾重にも工夫凝らされ重厚かつ斬新に仕上がったサウンドが新味。更に嬉しいのがイネ本人の好調さ。あのちょっぴり鼻にかかったみたいな声質にこめられた情感も増幅された感じだ。そして映像、これより１?２年前くらいはなんだか随分やせ細って元気なかったのですが、ここではすっかりもとに戻ってマニス・マンジャの頃の様に嬉々とした姿、時には楽しげに結構本格的な踊りまで披露します。