デビュー当時は快活ノセノセのダンドゥットで、マニスマンジャ・グループ加入後は次第に艶っぽくなり、その後はシックなスローにも味わい深まるイネの2006年作の映像化。これが意外にも本格的なジャワ・ダンドゥット作でした。彼女自身はスンダ出身だし、ここで全曲を作曲し、2曲でデュエット、恐らくプロデュースも担当したヘルマン・アンギタ氏はジャカルタの人。なのにどうしてジャワなのかわかりませんが、そんな事はすぐに忘れさせる高内容だ。基本的にはディスコもハウスも無縁のオーソドックス型ダンドゥットで、90年代のあのムフタール・Bなどの路線を継承しこれにジャワ風のシンセ音などもかぶさったもの。ジャワはジャワでも今風の東ジャワではなく中央ジャワ調なのも現在の我々の耳には新鮮です。鼻風邪の初期症状みたいなイネ独特の甘えたみたいな歌声もよく映えています。この後やけにやせ細る彼女ですが（現在は元に戻っています）、この時はまだ健康美そのものでくったくの無い笑顔も眩しいです。