アラブ発祥の音楽カシダー。元々はコシーダのほうが正しいらしいですが、インドネシア人の発音を聞くとカシダーと聞こえます。それはともかく、マレー半島、スマトラ島、ジャワ島と広く聞かれるこの音楽、なぜか女性のグループが多い。その中でもトップクラスの人気実力を誇るのがジャワ島中部のスマラン出身のナシダ・リア。時としてムラユーっぽさも混じるスマトラのものに比べてぐっとアラビックなきらびやかさ、そしてダンドゥットに通じるグルーヴ。シンセやエレキギターも大活躍、そしてカシダーの大きな特徴であるバイオリンの合奏がまたエキゾチック。本作はかつてドイツのピラーニャ・レーベルがライセンスを取ってＣＤ化した名盤で、これでカシダーを初めて聴いたという方も多いはず。現在にいたるまでカシダーをこんな良い音質で聴ける機会はありません。