副題ではKeroncong in Jazzy Moodと銘打たれており、もっと現地のエステサロンで流される様なイージーリスニングっぽい感じかと思ったら、実際には彼女にしては非常に珍しいかなりの野心作でした。基本はジャズで言うピアノ・トリオ、これにサキソフォンが入ったり、さらにクロンチョン・ギターが入ってちゃんとしたクロンチョン・ビートを刻んだり、と複数の形式でグサン、イスマイル・マルツキの曲などを演じる１２曲。そしてもっと意外なのは、彼女には全くの無縁かと思われたＲ＆Ｂ風のソウルフルな艶唱まで出てきて、これはちょっと興奮しちゃいます。しかしそれでもクロンチョンのあの優雅でどこかコロニアルなたたずまいが残されているのもさすがです。ＤＶＤのほうは全くの別内容で、彼女の純正クロンチョンＭＶが８編とインタビューを収録。生前のグサン氏も出てきます。インタビュー時のいつものジャワ衣装ではない平服姿の彼女、大変な理知的美人でこれまたぞっこん。PLATINUMレーベル独特のクッション入り豪華ジャケットです。倒産してしまったので貴重品です。インドネシア製ＤＶＤはＰＡＬ方式ですので、専用の再生機がない場合はパソコンでご覧ください。